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インディアン イン カナダ - 11月11日 by Kaz

カナダインディアンの居住地は山すそにある。日本人と同じ遺伝子を持つ性だろうか?アイルランド系アメリカ人の農場主がアトランタ市の郊外の大平原の真ん中に邸宅を建てるのと、コントラストをなしている。日本人は台風を避けて、山すそに家を建てると思っていた。しかし、本当の理由はその宗教、ツングース教から来ているらしいと言う事が今やっと理解出来た。森や山はご神体だった故にそこに住まないのだ。神を恐れるのだ。神が愛だといい始めたイエスは、それまでの恐ろしい悪魔としての神のイメージを180度ひっくり返したのだ。古代ローマ時代ではとんでもないタワゴトだった。           

日本島の日本人町は山が海に迫った海岸線の少々幅が広い所に作られている。周りの山は神が宿る神道の聖地である。人が入る事は恐れ多い神々の領域だ。山の物は食しないので、必然的に海の物を食する。海には鯨もマグロもカツオ、ニシンも、沢山いるので飢え死にする恐れは無い。バンクーバーの周辺のカナダインデアンも川を登ってくるシャケを主食としている。シベリアを起点として出てきた日本人も、カナダインディアンも、どちらも魚好きだ。最も鮭が到達する東端「サーモンアーム市」より東に住むインディアンはバッファローを主食としてきた。

バンクーバーに9年住んで初めてインデアンに遭遇したのは、私の旅行店に航空券を買い求めに来たご夫婦。頭が大きく、顔は浅黒く、日本人と瓜二つ。その時思った。白人が私を見た時、日本人をインディアンの一種族だと思っている事を初めて感じた。そして、私の意識の中で、バンクーバーの郊外が白人とインディアンの居住地区がモザイク状になっている事がだんだん浮かび上がってきた。かなりのインディアンがバンクーバーの周りに居るのだ。

インディアン話の余談として、私の大好きなジョンフォードの映画「駅馬車」。それのクライマックスでインディアンが襲撃してくる場面がある。まだ高校生の私はそのアクション場面に興奮した。自分自身を白人である「ジョンウエインのリンゴキッド」と同一視していた。しかし、今、その場面の裏にアイルランド人のフォードさんのインデアンに対する差別意識が隠されていた事を知った。北米大陸の深刻な人種対立がアクションシーンとして描かれていたのだった。日本で生まれそこで育った私の視点に今まで、人種対立意識は存在しなかった。

さらについでの話。「荒野の七人」と言う有名な西部劇を少年時代に見た。良かったので、今でも思い出の私の名画リストの中に記憶されている。。所が私が全くそのストリーを理解していない事を最近ビデオを見直して知った。メキシコ人の山賊の首領が、メキシコ人の村人が雇った白人の「7人の用心棒」を一旦捕らえるが、殺さず、傷もつけず追放だけにする。白人が差別しているメキシコ人を、命懸けで助けるバカはいないと山賊達は追放で済ませた。所が白人の七人ガンマンが戻って来て、山賊を皆殺しにした。山賊の首領は「何故だ、何故だ」と疑問符を連発して驚きながら死んで行く。白人とメキシコ人の間のありえない奇跡話をこの映画はまねいている。この映画の原作を黒澤明監督から買い取った有名映画俳優ユル ブリンナーは蒙古人とルーマニアのジプシーの混血。彼自身、黄色人種と白人のハーフとして、アメリカ合衆国で差別を受け続けてきた彼の原体験をそこにかぶせた事を今始めて知ったと言う事か。

バンクーバーの郊外のインディアンのB&Bにも小旅行で最近良く宿泊するようになった。奥さんがインディアンで旦那さんが昔、船のメカニックだったオランダ人。インディアン部落での白人故、逆差別を受けている。所有権はインディアンの奥さんのみに許される法律上の土地柄なので、旦那さんは無所有と言う、弱い立場にある。日本でも事は同じで、定年退職してきたら奥さんに「三行半」を突きつけられて、ダンナは生きてゆけず鉄道に飛び込む風景と同じ。このオランダ人のお年よりは、インディアン部落のスクールバスのメカニック兼運転手として雇われて来た。その前はと聞くと、船のメカニックを辞めた後、モントリオールの近くの鉱山で1960年代の初め頃、石炭を掘っていたとの事。この話から石炭から石油に世界の産業が転換されたのが1960年代と言う証言にもなる。カナダでも石油がエネルギーの大部分を占めるのは60年代半ばになってからである。

10年ほど前からカナダ政府はインディアン保護政策を取り出した。生活年金支給、大学学費免除、児童補助金支給、犬猫養育費支給。それほど、カナダ連邦政府は大判振る舞いをしている。これが災いしてインディアンが前より働かなくなったとか。大学に、一生、無料で通えるので卒業しなくなった。カナダに居る45万人の中で医者はたったの3人とか。それぐらいカナダのインディアンは楽をしているらしい。

1848年、明治維新の20年前の江戸時代の終わりに、バンクーバーの北のフレーザー河で黄金が発見された。カナダのゴールドラッシュである。そこは「リロエットインディアン」の居住地区。そこに白人がサンフランシスコや香港で多数の中国人を月$50の薄給で雇って送り込んできた。そして「黄金」を河からサラエさせた。白人とインディアンと中国人の間で人種対立があった。その結果としての人殺し。そして裁判。そして死刑の判決。フレーザー河の見える小高い丘の上に観光名所としての「縛り首の木」が100年以上前の姿を今でもさらしている。かなり朽ちていて、あとどれくらい形を留められるだろうか?先週の日曜日その木を見てきた。その木の前にインド人の家があった。その家の子供が遊んでいた。ガスが来て無いらしく、暖房は木をくべていた。煙突から煙が濃く出ていた。

手塚治虫先生の西部劇好きは有名であった。初期の作品「サボテン君」を小学校低学年で読んで西部劇を始めて知った。のちに「ライオンブックスシリーズ」で「荒野の弾痕」を読んでさらに西部劇ファンになった。そしてゲーリークーパー、ジョンウエインの映画を見に行く入門編の役割を果たしてくれた。その視点はハリウッドの映画の白人優位の視点だったけれど。まだ、パスポートを自由に取れなかった1950年代60年代の日本国民の一人であった手塚先生も、日本からアメリカ白人の視点の窓を通してインディアンを見ておられた。インディアンは白人に銃で撃たれるその他大勢でしかなかった。そのインディアンが日本人と同種であると気が付く為には私が、カナダに来て住む必要があった。それも9年たってやっとその事に気がついた。

さらに手塚治虫先生にこだわると「ライオンブックスシリーズ」の「来るべき人類」は僕のSF 空想科学世界への入門編だった。今から思えば手塚先生は僕の空想世界への水先案内人、大恩人でした。

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